こんにちは、福田です。
段々と秋らしい涼しい気温になりつつある今日この頃、秋と言えばやっぱり読書ということで本日もおすすめの小説を紹介したいと思います。
本日紹介する小説は、森見登美彦作『四畳半神話体系』
あらすじ
『私』は大学三回生。これまでの二年間何一つとして実益のあることなどやって来なかったと断言できる冴えない男である。
けれどそんな私も最初からこのような有様だった訳ではない。入学当初はサークル勧誘のビラを片手に、来る薔薇色のキャンパスライフを夢見ていたのだ。
しかし現実はほど遠く、悪友の小津には振り回され、樋口師匠の無理な要求に辟易し、憧れの明石さんにはお近づきになれない毎日。
いっそのこと一回生に戻って大学生活をやり直せたら・・・
大学入学当初の『私』が選んだサークルを分岐点に4つの異なる学生生活を描いた所謂ループ物の小説になります。
この小説の面白い所は例え別の選択肢を選んだとしても他の小説に見られるような劇的な変化が起きないという点にあります。多少の差はあれど結局『私』は後悔しますし、悪友の小津と樋口師匠に毎度毎度振り回され、明石さんに恋心を抱きます。
けれどもその多少の差によって今まで隠されていたサークルの裏話や登場人物の裏側が明らかになり、散りばめられた伏線が回収されていくのは見事としか言いようがありません。
文章も読みやすく、ループ物と言えども難解ではないのでぜひ読んでみてください