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出面表とは?工事別の人工から労務費まで見るエクセル管理のコツ【建設業お役立ちコラム】

毎日つけている出面表。「誰が何日出たか」は分かっても、その人工がどの工事の、いくらの原価になったのかまで見えているでしょうか。出面表を勤怠の記録で終わらせるか、工事ごとの労務費を見る道具にするかは、つけ方のちょっとした違いで決まります。この記事では、原価管理につながる出面表の書き方4つのルールと、そのまま使える列構成の見本をご紹介します。

出面表には「人の表」と「工事の表」がある

出面(でづら)は現場に出て働いた実績で、1人が1日働いた量を1人工(にんく)、半日なら0.5人工と数えます。同じ出面表でも、つくりは大きく2つに分かれます。

人の表(カレンダー型) 工事の表(一覧型)
形 縦に作業員、横に1〜31日。出た日に○や人工を書く 1行に「日付・氏名・工事・工種・人工」。下へ追記していく
答えられる問い 「佐藤さんは今月何日出たか」 「A邸の基礎に、これまで何人工・いくらかかったか」
向いている用途 給与の締め、出勤日数の確認 工事別の労務費、実行予算との比較、常用外注の請求チェック
苦手なこと 工事を書く場所がなく、原価に使うには転記が必要 パッと見で「誰が何日出たか」は読みにくい(集計で出す)

出回っている出面表の多くは「人の表」です。給与のためにはそれで足りますが、工事の原価を見たいのに「人の表」をつけている——これが、出面表が原価管理に使われない一番の理由です。一覧型なら、集計すれば「人の表」も後から作れます。逆はできません。

出面表が「勤怠表どまり」になる3つの原因

①工事名が「○○邸」だけで、工種がない

工事名だけでも工事別の人工は出せますが、実行予算を工種別に組んでいる場合、「どの工種で労務が超えたか」が分かりません。基礎で予定より人工がかかったのか、仕上げで手戻りがあったのかが追えないため、次の見積に活かせません。

②1日に2現場回った日が、1現場に寄っている

午前はA現場、午後はB現場——という日を「A現場 1人工」とつけてしまうと、Aの原価は膨らみ、Bは安く見えます。1日単位では小さな差でも、工期の間に積み上がると粗利の判断を誤るほどのずれになります。

③自社の作業員と外注の職人が、同じ表に混ざっている

同じ「1人工」でも、自社の作業員は給与として払う労務費、常用外注の職人は協力業者への支払(外注費)です。行き先が違う数字が区別なく並んでいると、給与計算にも外注の請求チェックにも、そのままでは使えません。

原価につながる出面表の書き方|4つのルール

ルール① 1行=「人 × 日 × 工事」で記録する

先ほどの「工事の表」です。1行に「日付・氏名・工事・人工」を持つ縦長の一覧にします。2現場回った日は2行に分け、0.5人工ずつつけます。一覧型にしておけば、あとからピボットテーブルで工事別・人別のどちらにも集計できます。

ルール② 工種は実行予算と同じ単位で書く

出面に工種を持たせるときは、実行予算で使っている工種名とそろえるのが鉄則です。予算は「基礎工事」なのに出面は「基礎」「ベース」と書き方がばらばらだと、予算と実績を突き合わせられません。エクセルならプルダウンで選ばせると揃います。(実行予算を工種別に組む方法は実行予算とは?工種別の作り方で解説しています)

ルール③ 「自社」と「外注(所属業者)」を列で分ける

区分の列を1つ設け、自社の作業員か、どこの協力業者の職人かを記録します。こうしておくと、同じ表から

  • 自社分 → 給与計算・工事の労務費へ
  • 外注分 → 業者ごとに人工を集計して、月末の請求書と突き合わせ

と、行き先ごとに切り分けられます。常用外注の請求書は「○月分 延べ○人工」とまとめて届くことが多いため、自社側で人工を数えておかないと、請求の人工数が正しいか確かめようがありません。

ルール④ 「人工 × 単価」で金額まで出し、週1回は集計する

人工数のままでは、材料費や外注費と足し合わせて工事の原価を見られません。1人工あたりの単価を決めて金額に換算しておきます。自社の作業員は、日給に法定福利費などを加味した社内の標準単価を決めておくと、給与の締めを待たずに原価を出せます。外注は契約の常用単価を使います。

そして集計は月末ではなく週1回。月末に給与が確定してから原価に載せるやり方では、工事中に手を打つには遅すぎます。

そのまま使える|出面表の列構成の見本

4つのルールを反映した、一覧型の出面表の列構成です。エクセルの1行目にこの見出しを並べれば、今日から使えます。

日付 氏名 区分 工事名 工種 人工 単価 金額
10/1 佐藤 自社 A邸新築 基礎工事 0.5 22,000 11,000
10/1 佐藤 自社 B社倉庫改修 解体工事 0.5 22,000 11,000
10/1 鈴木 外注:○○工業 A邸新築 基礎工事 1.0 25,000 25,000

※単価・金額は説明用の例です。金額列は「=人工×単価」の式にしておきます。必要に応じて「開始・終了時刻」「残業時間」「作業内容」の列を右側に足してください。

この形にしておくと見られる2つの数字

①工事・工種別の労務費の累計:ピボットで「工事名 × 工種」ごとに金額を合計し、実行予算の労務分と比べます。予算の7割を使った時点で工程が半分なら、黄色信号です。

②外注業者別の人工数:「区分」で外注に絞って業者ごとに人工を合計し、月末の請求書の人工数と照らし合わせます。

なお、自社で持っている重機(バックホウ・ダンプなど)の稼働日も、「氏名」の代わりに機械名を入れれば同じ形で工事ごとに記録できます。重機の使用料を工事原価に載せたい会社には便利な使い方です。

エクセルの出面管理が限界になるとき

一覧型の出面表はエクセルでも十分に回せます。ただ、作業員が10人を超え、現場が同時に5つ、6つと動き出すと、次のような手間が目立ってきます。

  • 同じ人工を3回入力している:出面表 → 給与ソフト → 工事の原価管理表。どこかで1か所ずれると、原価と給与の数字が合わなくなります
  • 外注の請求チェックが手作業:業者ごとにフィルタして電卓で照合。業者が増えるほど月末に時間を取られます
  • 材料費・外注費と合わせた工事の原価が見えない:出面表だけが別ファイルなので、工事全体の予算残高を見るには毎回転記が必要です
  • 行数が増えて重くなる・式が壊れる:1年分で数千行になり、誰かが行を消すと集計がずれます

共通しているのは、出面が原価管理や給与とつながっていないことです。エクセルでの原価管理全体の進め方は工事原価管理をエクセルで行う方法もあわせてご覧ください。

レッツ原価管理Go2なら|出面の入力がそのまま工事の労務費になる

当社の「レッツ原価管理Go2」では、出面は勤怠の記録ではなく工事原価の入力の一つとして扱います。出面書を入力すれば、工事別の労務費として原価に反映されます。

エクセルでの困りごと レッツ原価管理Go2の場合
入力に手間がかかる 日付型(日付をキーに複数の従業員をまとめて入力)と従業員型(従業員をキーに複数日をまとめて入力)の2つの入力方法から選べます
工事別・人別の集計が面倒 工事別の労務費を管理でき、工事別・従業員別で多様な集計が可能です
給与ソフトへの二重入力 出面書の勤怠データを給与奉行・PCA給与・弥生給与へ連動できます
常用外注の支払管理 アドオン「外注出面管理」で外注労務を出面書で入力し、結果をまとめて仕入伝票として作成、支払管理に活用できます(注文書・支払通知書としてExcel出力も可能)
材料・外注と合わせた原価が見えない 出面の労務費は仕入(材料・外注)と同じ工事に集まり、進行中の工事は原価モニターで予算実績を確認できます。工事原価明細書では材料費・外注費・労務費・諸経費などの分類ごとに集計できます
自社重機の使用実績 出面書は自社重機の使用実績の管理にも応用できます

出面・仕入・発注・請求が1本でつながっているので、「出面表は出面表、原価表は原価表」という二重管理がなくなります。機能の詳細は出面の機能ページ、給与ソフトとの連動は会計・給与ソフト連動のページでご確認いただけます。

1週間分の出面を入れてみると、違いがすぐわかります

出面の入力から工事別の労務費、原価モニターでの予算実績まで、実際の画面で試していただくのが一番です。クラウド版は全機能を45日間無料でお試しいただけます。

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よくある質問

出面表と作業日報の違いは何ですか?

作業日報は「その日に何をしたか」を文章で残す記録、出面表は「誰が・どの工事に・何人工入ったか」を数字で残す記録です。日報に人工まで書いている会社もありますが、集計して原価や給与に使うなら、出面は一覧の形で別に持つほうが扱いやすくなります。

1日に複数の現場を回った場合はどうつけますか?

現場ごとに行を分け、作業した時間の割合で人工を分けます。午前・午後なら0.5人工ずつ、細かく分けたい場合は0.25人工単位にするなど、社内でルールを一つに決めておくことが大切です。人によってつけ方が違うと、工事別の労務費が比べられなくなります。

常用外注の職人の出面も自社でつける必要がありますか?

つけることをおすすめします。常用外注の請求は人工数×単価で来るため、自社側の出面がないと請求の人工数を確かめる手段がありません。また、工事ごとの外注費を工事中に把握するためにも、請求書を待たずに出面から金額を出しておくと予算の判断が早くなります。

自社の作業員の単価はどう決めればよいですか?

個人ごとの実際の給与で計算すると手間がかかり、給与の締めまで原価が確定しません。実務では、日給に法定福利費などを加味した社内の標準単価(職種や熟練度で数段階)を決めておき、工事中はその単価で原価を見るのが一般的です。年に一度、実際の人件費と比べて単価を見直します。

建退共の就労日数の把握にも使えますか?

使えます。一覧型の出面表に「建退共の対象者かどうか」の列を1つ足しておけば、対象者に絞って月ごと・工事ごとの就労日数を数えられます。掛金の納付(証紙・電子申請)の手続きそのものは、建設業退職金共済の案内に沿って行ってください。

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まとめ

出面表は、つけ方を少し変えるだけで勤怠の記録から工事の労務費を見る道具に変わります。ポイントは、①1行=人×日×工事の一覧型にする ②工種を実行予算とそろえる ③自社と外注を分ける ④人工×単価で金額にして週1回集計するの4つです。エクセルで始めて、出面・給与・原価の二重入力が負担になってきたら、出面がそのまま原価につながる仕組みを検討してみてください。